2009年6月30日火曜日

3ヶ月たって

4月に創業し、早いもので3ヶ月がたちました。
6月は弊社の期の締めで、まだ3ヶ月ながら初年度が終了したということになります。
まあ、それはあくまで会計年度の話なのですが、ちょうどいいタイミングなので、これまでの3ヶ月を振り返って、学んだことをまとめてみました。


【人脈の大切さ】

この3ヶ月はとにかく人に助けていただいた日々でした。
一緒にビジネスを作ろうとしているパートナーの皆様、実績の無い我々の話を真剣に聞いてくれたお客様、応援メッセージをくれた友人や元同僚の皆様、そして家族。
自分たちだけでは出来ないことが人と一緒にやることで出来るようになる、そして一緒に成長していけることを実感しました。(まさに弊社の情報活用サービスにもつながるところです。)
ですが、そこで得た情報や人脈を、活かすも殺すも自分たち次第であるということを忘れてはならないとも感じました。


【健康でいること】

創業してから、いろんな人に「とにかく忙しいだろうから、体には気をつけて」と言われるようになりました。
実際、案件が出てきた5月頃からは急激に忙しくなりましたし、これまでに無かった精神的な負担があるのは事実です。
実は4月頃に島田、小野の順番に体を壊した時期があり、1人休むと会社として戦力が半減してしまい、大変なことになると実感しました(笑
頑張らないといけないときもあるのですが、休みもしっかりとって、健康には気をつけるようにしています。


【人の力をどんどん借りる】

前述の人脈にも通じることですが、自分たちが出来ないことの線引きは明確に持っておくべき。
餅は餅屋というように、我々が出来ないところを得意としてやってくれる人が必ずいるので、
そういう人となるべく多くリレーションを作っておくと、心強いです。
大企業だと1から10までトータルで提案できるのですが、
我々はそれぞれの分野のスペシャリストとチームを組んでやることで、むしろより多くのビジネスの可能性を低コストで作れると考えています。


【勢いで決めない】

ビジネスのスピードはベンチャーの強みでもあるのですが、
やたら勢いで新しいことを決めて走り出すのではなく、しっかり考えるステップを踏むことが必要だと思います。
やると言っておきながらアクションしないのは最悪ですが、手足だけ動いていても無駄が多いうえに質の高いものなんて作れないでしょう。
考える時間は大企業なら「一旦持ち帰って・・・」という余裕があるのですが、我々にはそんな時間は与えられないので、短い時間でも考えて判断することと、走りながらでも考えて、軌道修正が必要ならダイナミックに変えることを恐れずにいることが重要と考えています。


【情報を集める時間を作る】

Webの記事もそうですが、何より本を読む時間は重要だと思います。
Webのほうが最新情報は読めるのですが、
情報が断片的なことと、価値のあるものを探すのに時間がかかるのが難点です。
(気に入ったブログなどは毎日購読する価値がありますが。)
その点、本はその道のスペシャリストが情報をまとめているので、価値ある情報を入手できます。
弊社オフィスのすぐ近くに赤坂図書館があるので、とてもお世話になっています。


【ものづくりこそ基本】

これ、学んだことというか我々の基本的な姿勢なのですが。。
周りから「上場したら大金持ちだね」とか「上場するときに転職するから呼んで」とか言われるんですが、別に金持ちになりたくて起業したわけではないですし、上場して株価を何百倍にすることを目指しているわけではありません。
企業は株主のためにあるものではありません。
利益を出し続けることが使命でもありません。
価値のあるものを作って、世の中に提供しつづけられることが使命であり、企業はそれに携わるすべての人たちのものです。
その姿勢を大切に、来期も頑張りたいと思います。

2009年6月26日金曜日

前向きな提案

先日あるパートナー様とお話していたときに印象に残った言葉。

「いま求められるのは、前向きな提案。セキュリティにしても、事故の防止だけではなくて、売上に貢献できるセキュリティ提案シナリオが必要」


セキュリティやコンプライアンスの強化は、企業にとってもある意味永遠の投資領域です。
ですが、どんなに強化したところで売上が伸びるわけでもなく、従業員が働きやすくなるわけでもないわけです。
当然顧客の信頼を得るという意味では効果はあるのでしょうが、関連性は曖昧です。
(自社のセキュリティの仕組みを公開している企業は少ないですし)

そういった既存の考えの中で、売上にも直接貢献できるセキュリティシナリオを提案するというのは、
面白い発想だと思いました。
実際そのパートナー企業では、ファイルを暗号化し、操作のログを記録できるソリューションを提供されているのですが、この適用範囲が企業をまたいだところまでカバーされているため、
これまで安全性がネックでできなかった特定領域での企業間コラボレーションを拡大できるんですよね。
暗号化製品ということでよくあるセキュリティ製品なのですが、
これをうまく活用することで、顧客にとって新しいビジネス機会を提供しているわけです。

すべてにおいて、こうした提案が最善というわけではないですが、
不況な時代だからこそ視点を変えてみるという姿勢は必要だと感じました。

2009年6月22日月曜日

情報分類①

少し御無沙汰です。

最近案件対応で、組織内情報の分類について資料をまとめているのですが、
これがなかなか奥が深いです。
以前「共有して、それからどうするか」で、何の目的で何を共有するのかを考えることが重要なポイントと言いましたが、情報分類はこれにも通じる話です。

お客様のゴールは、情報を共有することではなく、その結果ビジネス上の課題が解決されることなので、それを見失うと情報は貯まらず、貯まっても活用されないということが起きてくるはずです。
で、情報の分類というのはそのゴール設定の後の「何を」共有するかのフェーズで必要なアクションです。
分類しないと、「何を」が曖昧になるんですよね。
そこが曖昧だと、管理ルールもツールの設計も曖昧にしかできないので、導入直後は良くてもいつの間にか活用されずに形骸化していくことになります。

じゃ、どう分類していくかですが、これが非常に難しい。
分類するには切り口が必要ですが、その切り口が多岐にわたるので、全部を網羅することは不可能に近いわけです。
そうすると汎用的で直観的な切り口を選択するわけですが、それすらも曖昧。

多くの企業で実施されている方法は、部門単位でフォルダを作って、その中で年度、文書の種類(提案書、契約書 etc..)、あるいは顧客名などでサブフォルダを作ってやる方法。
企業内のファイルサーバーで行われている設計です。
これは、ラベリング階層設計を組み合わせた方法です。
ファイルサーバーだけでなく、ネット上だと Yahoo! や MSN 、楽天などのポータルサイトもこういった設計になっていますね。
利点としては、人間が見て分かりやすいということでしょう。
直観的に情報を探していけます。
ただし、欠点もあります。
複数のラベルに属する情報をどう配置するかという問題、それから情報が増えると探すのが非常に大変、という点です。

それに対して、ラベルも階層も失くしたのが、Google に代表される検索エンジンです。
情報の置き場が階層だろうが一覧だろうが意識せずに、キーワードで情報を探してくることができます。
検索の分野は次々と新しいサービスが出ていますが、欠点は利用者に検索スキルが必要になること、情報管理の側面では機能がほとんど無いという点です。

上記はまだ分類の一例であり、これ以外にもさまざまな方法が存在します。
情報をどのように見せたいのかによって、適切な分類方法を適用することが必要です。
分類の考え方や手法は、また随時紹介していきたいと思います。

2009年6月8日月曜日

フェスに見る、目標管理

週末、とある音楽フェスに参加してきました。
ライブの内容自体は素晴らしかったのですが、驚いたのは客のマナーの悪さ。
私自身、音楽好きで毎年いろいろなフェスに参加していますが、過去一番ひどかったです。
特にひどかったのは、ゴミの扱いです。
自分たちが飲んだり食べたりした空き缶、空き容器を地面や植え込みにそのまま放置しているため、ライブが終わって人が去った後の会場の地面はゴミで覆い尽くされている有様でした。
ゴミを分別して出す場所は会場内にも多数設けられており、捨てる場所にはそんなに困るほどではなかったのですが、にもかかわらずその始末でした。

こういうマナー的なことは本人の自覚によるところが大きいのは勿論なのですが、
主催者側の努力で大きく改善できるはずではないでしょうか。
実際、毎年のべ 10万人前後人が集まる巨大なフェスである FujiRock Festival では、
上記のようなことはほとんど感じません。
いい機会なので、FujiRock Festival ではどんな運営をしていたか思い返してみました。
  • 主催者自身が、エコやマナーに対する姿勢を強く訴える
  • 皆で○○を達成しよう、という明確な目標をかかげる
  • 開催前や開催中、何度もマナーに関するメッセージを発信する
  • すべての客に、ゴミを捨てるためのゴミ袋を配布する
  • 専門のチーム(エコ委員会など)を結成して、会場の真ん中に拠点を置き、活動を見せる
  • エコ委員、マナー委員はメッセージ付Tシャツを来て会場内を歩き、賛同者にも同じTシャツを配る
  • 委員は、各ステージで、ライブの合間に自身の活動についてプレゼンテーションをする
  • 開催中、客を巻き込んで「ゴミ拾いキャンペーン」などを実施し、客を味方につける

上記は思い出せるものを挙げただけなので、まだ様々な取り組みがされていると思います。

こうした地道な取り組みによって、大人数が集まるにも関わらず、ゴミで会場を汚さないというひとりひとりの意識改革を実現できているわけです。

一方で、最近参加したフェスではゴミの分別所はあるものの、主催者側から特にコミュニケーションもされていませんでした。

企業内におけるメッセージの伝達や目標の共有などにおいても、この取り組みは参考になるのではないでしょうか。

音楽フェスはそもそも雑多に人が集まっているわけですが、企業の中は少なくとも同じ組織に属する同じ社員であり、同じ目標を共有して皆で達成するための土壌はできているはずです。

にも関わらず、「ビジョンが浸透しない」「目標を設定されたが、具体性が無い」「結局は売上数字が全て」「1つの目標に向かってチームで協力しあうことも無い」のように、目標管理はうまくできていないという声を多くいただきます。

社長が年始の総会やポータルで一度ビジョンを語ったところで、それだけでは伝わりません。

地道ですが、繰り返しのメッセージ発信、推進チームの結成、ひとりひとりの意識改革などをしっかりと実行することで、初めて効果が出てきます。

意外なところで気付きのあった週末でした。

2009年6月2日火曜日

エコ減税の効果

エコカー減税効果か、ハイブリッド車の売上が好調です。
エコを推進しつつも、高速道路料金の均一化などで車での移動を推進して大気汚染を促進するあたり、政策の迷走ぶりがうかがえますが。。

とは言っても、世の中の車がエコカーに少しずつ変わっていくのは環境には良いことですし、そのとっかかりを作ったという意味では減税効果があったのかもしれません。
が、一般的な政策の期待値に対しては、以下のような記事が出ました。

エコカー減税、効果まだ見えず
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20090602AT1D0106A01062009.html
自動車業界団体が1日発表した5月の国内新車総販売台数(軽自動車含む)は、前年同月比19%減の29万2043台だった。マイナスは10カ月連続で、5月としては33年ぶりの低水準に落ち込んだ。

ようは、ハイブリッド車は好調だが自動車全体で見ると非常に低調であると。

まるで期待外れのように書かれていますが、これは当然でしょう。
そもそもエコカー減税によって自動車市場を活性化しようとしていたのなら、それは大きな間違いです。
エコカーが1台売れれば、普通の車が1台売れなくなるだけのことですから、市場全体は活性化しません。
そもそも車のような高額で管理費もかかるモノを、減税だから買おうとする人はよほどの大金持ちで、今回ハイブリッド車を購入された方のほとんどは、もともと車の購入を検討されていた方ではないかと思います。

同じことはエコ家電にも言えます。
市場自体が縮小している中で、1つ売れたら別のものが売れない状況を促進しても景気対策にはならず、市場を拡大する政策が必要です。
エコ減税にそれを期待することは難しいわけで、間違った期待を持たせるようなマスコミの対応にも問題があるのではないでしょうか。
それを見る視聴者側も、ハイブリッドカーが売れているから良い政策だと勘違いせず、正しく効果を見極めて判断したいものです。