2009年5月30日土曜日

共有して、それからどうするか

組織内で情報をなぜ共有するのか、それはさまざまな目的がありますが、
大事なのは共有することがゴールではないということです。

共有するだけなら、とにかく作った文書をどこかに集めて皆が見られるようにしておけばそれで済むのかもしれませんが、それではあまりメリットを感じることもなく、メリットを感じなければやがて誰も使わなくなります。

共有して、それから何をするかという目的が重要です。
目的を念頭に置くと、

1.なぜそれを目的にするのか
2.そのために何を共有するのか
3.どうやって目的を達成するのか

という流れで計画することができます。
実際にはもっと複雑な要素が絡み合って、なかなかキレイに計画できるものでもありませんが、
基本的なこの 3ステップを押さえておかないと途中で方向性がブレてしまいます。

ただ、お客様と話していると意外と2の「何を」がちゃんと考えられていないケースが非常に多いなと感じます。
たとえば、経営判断を迅速に行うために、各支店の売上状況を1時間単位で確認できるようにする、ということで支店ごとの売上シートを経営者向けポータルに貼ったりするケース。
↓↓こんなのです


私は、グラフを見てそれで何が分かるの?と思ってしまいます。
売上情報はもちろん正確ですが、それは単なるデータであって、「経営判断を迅速に行うため」の 1材料に過ぎません。
データを判断を行うためのインテリジェンスにするには、この前後に起きていること、外部/内部要因、そしてリアルな支店の現場での状況まで見ないと、正確な判断はできません。
じゃあ上記のようなポータルを使っているお客様側ではどうなるかというと、結局経営者が自分の経験則などで判断しているわけです。
それでは何のために情報を共有/収集したの?ですよね。
もし現場の従業員に、「○○のために明日までに現状報告せよ!」という指示が出て、皆忙しい中で必死に報告書を作って出しても、そうやって集められた情報が全く活用されていないアウトプットが出てきたら、モチベーションが下がることになります。
情報共有ツールを導入しても、やがて使われなくなります。
情報共有プロジェクトが失敗する原因の一つに、こうした「共有して、それからどうするか」をあまり考えていない点があるのではないでしょうか。
皆が自分の経験則でうまく仕事ができれば苦労しませんが、
実際はそうではないわけで、そのためにどんな情報がどんいう形で共有されると、何ができるようになるかを、従業員と一緒に考え、計画していく必要があります。
計画していく上でも様々な手法があるので、それはまた随時紹介していこうと思います。

0 件のコメント: