2009年4月21日火曜日

ビジネスとIT

ビジネス課題とITをつなぐ、ということが、ITベンダーにとって重要な取り組みになっています。
不況で、企業が新規投資を必要最低限に抑える方向になっていると、ミッションクリティカルな領域以外の、特に情報系のソフトウェアは多くの場合投資が凍結されます。

だからこそ、なぜ今必要なのか、必然性を理解していただくために、ビジネス課題解決につながる提案が求められるわけです。
まあ、こういう考え方は今に始まったことではなく、本来企業がITを活用する際に考えなければならないことでしょう。
便利そうだから導入する、というのではなく、戦略的にITを活用するということです。

と、言うのは簡単ですが、実際は提案する側にもお客様側にも、難しいというのが現実です。
大きなところで、以下2点が難しいところかと思います。

1.ビジネス課題とITとの、明確なつながり
2.CIOの存在

1と2は、関連する話です。
2についてですが、CIOがいない企業だと、稟議をあげることが難しくなります。
経営課題がシステム部門に直接落ちてこないわけですから、上記に書いたような戦略的なIT活用を考えるうえで、CIOを巻き込んだシナリオ作りの可否は、経営層への説得力を大きく左右します。

そして、CIOの有無にかかわらず、1は重要な点です。
結構ありがち、というか、私も前職でやっていたのですが、お客様のビジネス課題とITツールをマッピングしてお話する際に、話が飛躍してしまうことがあります。
たとえば、社内コミュニケーションを活性化したい、という話に対して、「では、経営層からも現場からも情報が手軽に発信されるように、社内ブログを使ってみる、というのはいかがでしょうか。」のような提案をするわけです。
もちろん実際はもっと細かく課題をうかがって、その他のツールも含めて提案シナリオを作るわけですが、大雑把に言ってしまうと上記のようなマッピングをしていました。
ただ、上記では課題とツールに明確なつながりがないですね。
担当者レベルではそれで話が進むのですが、意思決定をする経営層などには、社内コミュニケーションとブログがどうつながるのか、理解いただけないわけです。

ビジネス課題とITをつなぐ、というと、どうしてもこういう唐突な感じになります。
多くのITベンダーのWebサイトを見ても、自社製品のマーケティングがそのように行われていることは多々あります。

情報系のITツール導入の計画フェーズで、ビジネス課題を背景とした導入目的、導入範囲や展開ステップ、活用方法、導入効果目標などをきちんと定義した上で実際の計画に進んでいかなければ、課題とITツールは乖離したままになってしまうでしょう。

ビジネスの言語と、ITの言語のつながりは弱いので、そこを仲介する手法や言葉が必要だと思います。
弊社は、お客様のITツールを、ビジネスに活用いただけるように、そうした仲介者になりたいと考えています。

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