2009年4月16日木曜日

情報が流通する文化

前回も記載したとおり、ブログなどの情報系ツールを社内で定着させるには、そもそも情報発信とフィードバックのサイクルがまわる文化が必要だと考えています。
これを無視して、ツール導入によって解決しようとしても、まったくうまくいかないでしょう。

ですが、意外とそこは軽視される、もしくはまったく議論されずにツールが導入されてしまうことが多々あります。
それは、目的が「ツールを入れること」になっていることが大きいでしょう。
本来の目的は情報共有であったり、コミュニケーションの促進であったりと、別のことのはずなのに、いつの間にかツールを導入することが目的にすり替わるため、文化が無ければ導入後に使われないことに目が行きにくくなります。
家を建てるのは住むためのはずなのに、それを無視して家を建てることだけを優先してしまうと、手抜き工事だったり、実は土壌が汚染されていたりという問題が後になって発覚することと同じです。

文化の醸成は非常に難しいです。
経営者が変わると社内の雰囲気が徐々に変わるように、ある程度影響力のある方が促進するとやりやすいのですが、実際はなかなかそうもいきません。
その場合は、やりやすい部門などから情報共有/流通プロジェクトを小さく始めて、徐々に浸透させていく方法が堅実でしょう。
具体的な進め方などはいろいろとあるので、またこのブログに随時書いていこうと思いますが、今日はまずプロジェクトの中心となる推進メンバーの、やや精神論的な話です。

プロジェクト自体は場合によってはツール導入を担当するシステム部門の方がリーダーになるかもしれませんが、いずれにしても現場に周りを引っ張る方が必要です。
これはマネージャクラスでなくても構いませんが、重要な条件があります。
チーム内に情報を発信し、流通されるということを、やらされ仕事ではなく、前向きに発展させていく気概があることです。
片手間では日々の業務に追われて、いつの間にか忘れられていることもあるため、継続できる方がいいでしょう。

もちろん一人ですべてをやる必要はありません。
タスクチームを結成し、アイディアを出しながら役割分担して進めていくことで、より進めやすくなります。チームの人選も重要な要素です。
現場の業務をどう助けられるか、現場に何があったらうれしいか、現場が少しでも活気づくにはどうすれば良いか、真剣に考えられる人を選ぶ必要があります。
そして、タスクチームメンバー各々が情報発信に対して積極的で、受け取った情報に対してもフィードバックをしていくことで、徐々に 周囲にプレゼンスを上げていくことができます。


そして何より、タスクチームはこのプロジェクトを楽しんでやることです。
本来、人間はコミュニケーション無しでは生きていけない動物です。
仕事も一人ではできません。
「なんで俺の情報を皆に共有しなきゃならないんだ」と否定的な方もいらっしゃるのは事実ですが、業務の知識や必要な情報は、先輩から後輩へ、お客様から担当営業へ、コンサルタントから経営者へ、などのように人を伝わっていくものです。
これは日本企業が古くから行ってきたことでもあり、組織の強みです。
誰しもがそうして気づきを得て、実践し、経験し、成長してきたわけですから、情報共有/流通が必要であることは自明であり、そして自分の成長につながる前向きなものです。
タスクチームはこうした想いを共有し、他のメンバーに啓蒙していくわけですから、前向きに楽しんで取り組むことが重要です。

精神論になってしまいましたが、また次回以降、実アクションにも触れていきたいと思います。

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