2011年1月12日水曜日

新年ごあいさつ & 効率化について

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
すっかり更新が滞っている本ブログですが、今年は頑張って更新していこうと気持ちを新たにしております。

このところプロジェクト案件がいくつか並行していたのですが、忙しい反面いろいろな知見を得ることができました。
その1つが効率化という言葉。

効率化という言葉を、偶然にも同時期に別の立場の人から聞いて、ちょっと考える機会となりました。
一方はプロジェクトを進めているお客様からで、IT 活用の1つの重要テーマが、事務作業の効率化であるという点。
もう一方は弊社のパートナー企業、すなわち効率化のソリューションを提供するITベンダー側の営業担当者からで、最近の顧客企業では効率化という言葉は人手を介していた仕事を奪うことになるから、むしろ悪い印象に受け取られることが多い。そのため、効率化という言葉は使わないようにしている、というもの。

図式としては以下のように妙なことになっています。

顧客企業                    ITベンダー
「業務効率化がIT活用のテーマ」  ⇔  「効率化はNGワード。口にしない」

※当たり前ですが、顧客企業やITベンダーによって考え方が違うので、
すべてに当てはまるわけではなく、あくまで私の周囲の話です。

ちなみにITベンダー側の意見は今に始まったことではなく、
10年前くらいにも同じようなことを言っていた時期がありました。
業務フローの電子化がブームだったころで、やはり「俺の仕事をパソコンにとられる」的なことを仰る方々がいるので、効率化という言葉を使う時は気を付けようと。

一見食い違っているように見える両者の意見ですが、
考えてみれば原因は同じところにあって、視点が違うだけかなと。。
10年間もそうでしたが、不況期にはこうした風潮が強まると思います。
どうしても内向きのコスト削減やムダの削減に力を入れざるを得なくなるため、
全社的に効率化などが重要視されてくる。→顧客企業
その結果、企業の利益率は向上しますが、不況期であるため売上そのものが伸びるわけではありません。
さらに、効率化によって劇的に仕事が楽になってハッピーという人は多くなく、むしろ人員削減によって仕事が増えたり、自分の仕事を守ることに精いっぱい、社内の空気も悪いということになる。
そんなところにもっと効率化しましょう、という提案は持っていきづらい。→ITベンダー

じゃあ景気回復しないと効率化なんてやらないほうがいいよね、ということではなくて、
私は「効率化してどうするの?」というところを掘り下げていくべきと思います。
効率化はあくまで手段であって、目的は別のところにあります。
1つの解は、売上を増やすこと、つまり生産性の向上です。

効率化によって仕事がなくなるなんてことはありません。
むしろ、そこで空いたリソースは売上を増やすための業務にまわすべきです。
効率化はそのための手段としてとらえ、いかに人材を適材として活用するか、
そこまでを見据えた提案を、ITベンダーはしていくべきでしょう。

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