2010年2月13日土曜日

Twitterがもたらす害

ちょっと刺激的なタイトルにしてみました。

だいぶブームも落ち着いてきた感のあるTwitterですが、テレビや雑誌はネットより少し情報が遅れるということもあって、いまだ書店などで「コミュニケーションの革新」的なTwitter特集記事を目にします。
最近では企業のマーケティングで利用したり、有名人や政治家が積極的に活用するのは当たり前になってきました。

ハマコー、Twitterで大暴れ
http://ascii.jp/elem/000/000/496/496335/
楽天 三木谷社長、全社員にTwitter推奨
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1002/08/news059.html

私自身もTwitterを使っています。
その有効性は実感していますし、多くの評論家が記事で書いている通りだと思います。

が、ここはあえて世の中の流れに逆らって、最近感じている批判的な意見を。

Twitterの特徴のひとつは、1回の投稿での140文字という文字制限です。
これにより、まとまった意見や情報の投稿は、著しく制限されます。
そのため、Twitterの投稿をツィート、つぶやき、と言うとおり、投稿される情報のほとんどは言ってしまえば独り言に近いムダ話で、その場で読まなければ大した話題にもなりません。

これは、社会的に地位の高い、あるいは優秀と言われる方のTwitterでも同様です。
テレビでは経済情勢について小難しい意見を述べている人が、Twitter上では「お腹減った」だの、「家に新しい植木を置きました」だの、それがどーした、と言いたくなるつぶやきを連発します。
140文字しか書けないのだから、これはある意味仕方のないことなのですが、
この仕組みこそが、人から思考力をうばう罪だと考えています。

またこれは、なぜブログではなくTwitterで発信するのか?という疑問への答えにもつながります。

ブログでもやろうと思えば1行程度でムダ話を書き続けられますし、実際にアメブロで芸能人のブログを見ていると、そういう類のブログもあります。
しかし、ブログではなくTwitterで発信する理由は、情報が残らないから、でしょう。
Twitterは1日に何度も投稿されますし、人の投稿も同じページにどんどん上乗せされていくので、
誰かが昨日投稿した内容を探し出すのは結構大変です。
そもそも、Twitterに投稿された情報で、後日わざわざ探し出して再利用する価値のあるものは、前述の通りあまり多くないので、情報が残らないことには不便はありません。
一方でブログはその人の投稿だけが掲載され、検索性も優れているため、有効な情報は後々まで残り、いろいろな人に再利用されます。

まとめると、
ブログ:人にしっかり読まれて再利用されるので、気合を入れてしっかりと情報を書く
Twitter:たいしたことは書けず、情報も再利用されないので、何も考えずに書く
と言えるのではないでしょうか。

人間、楽な方が好きなので、同じ情報発信するなら、頭を使わずにできるTwitterを選んでしまうのは当然なのかと思います。
ブログは書くのが大変で続かないが、Twitterなら続く、という人は私の周りにもいます。

Twitterのようなツールがあることに問題はないのですが、これを企業内や学校内で積極的に使う、というのは注意が必要と考えます。
ただでさえ言語力が低下してきている昨今で、「文章を考えて書く」という機会を減らしてしまうことは絶対に避けなければなりません。
文章を書くことは、頭の中の漠然としたイメージを人に伝わるように組み立てるという、思考力や論理性、表現力を育てるトレーニングです。

コミュニケーションツールとして現場社員が利用する分には良いですが、会社として推奨すべきは、ブログのように文章を書く、情報をまとめるという作業を皆にやらせることのほうではないでしょうか。

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