2009年11月17日火曜日

企業内コミュニケーションがうまくいかない③

少し間が空いてしまいましたが、前々回の続き。

文字だけに頼るメールやチャットなどのコミュニケーションは、情報量は膨大ながら伝達効率は非常に低いという話をしてきました。
発信した側にとっては、伝わらないというのはストレスが溜まるもので、気づくと相手のせいにしていたりします。

視覚や聴覚などに頼れない限定的な状況で、うまくコミュニケーションをするには、コンテキストを合わせる、辛抱強く繰り返し伝える、という努力が不可欠と考えています。

コンテキストはコミュニケーションを重ねるごとに合わさっていくものですが、相手を知り、自分を知ってもらうことで最初の段階からある程度合わせることは可能です。
出身大学が同じ/自宅が近所/共通の知り合いがいる などの共通項が少しあるだけで、相手との壁は小さくなり、伝達効率は向上します。(たまにマイナスに働く場合もありますが・・・)
この性質を利用しているのがSNSであり、mixiやFacebookといったサービスの会員数は爆発的に伸び、友達から友達、自分と同じ組織に属している人など、人のつながりが拡大されています。
SNSの本質は、ブログで情報発信したり友達を作ることではなく、ネットという仮想世界でコミュニケーションを深め、広げるための環境作りにあると言えるでしょう。
企業内SNSは近年導入ブームではあるものの、うまく活用できていない、盛り上がらないというケースでは、そもそもの目的を見失っているところも多く見受けられます。
社内ブログを導入したところで、コミュニケーションは活性化しません。
それ以前に、相手を知り、自分を知ってもらう仕組みを確立し、従業員がその意味を理解している必要があります。

もう1点、辛抱強く伝える、ということですが、これが意外に軽視されています。
メールで書いたのに、全然伝わってない!!と憤慨する前に、そんな簡単には伝わらないと理解しておくべきです。
お互いよく知っている仲ならともかく、自分の伝えたいことを正しく伝える、相手の伝えたいことを正しく理解する、というのは簡単ではありません。
双方にスキルが必要です。
しかし、全員がそんなスキルを持っているわけではないですし、メールなどで広範囲に発信された情報を全ての受け手が理解することは、1度では到底無理です。
ところが、今でも多くのお客様からビジョンが伝わらない、うちの部署の役割を理解していない、という相談をいただきます。
伝え方の改善も有効ですが、繰り返し伝える、表現や角度を変えて伝える、といった努力は忘れてはいけないポイントです。

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