2010年5月22日土曜日

個を無視しては社会は作れない

前回前々回と学生との対話内容を掲載しましたが、
ここから分かる大事な点は、若い人にもいろいろなタイプがいるということです。
確かにケータイ中心のコミュニケーションをしている人が大多数ですが、その中でも使い方や依存度はさまざまです。
これは当たり前の話です。

ところが、多くの場面で「いろいろ」が無視されることを目にします。
日常生活でもそうですが、特に企業においてはそれが強い気がします。

たとえばKMの前提は「KMは企業にとって必要」であり、社内SNSは「部門を超えたコミュニケーションが活性化する」利点があると言われます。
この前提や利点て、本当に正しいのでしょうか?
もちろん正しいと思えばそうだし、そう感じる人もいるでしょうが、一方で実はそうでもないという人もいるわけです。

KMは情報が集まらないと意味がなく、そのためには各個人が発信しなければいけません。
そのため、あの手この手で発信を促進しようとします。
私もKMプロジェクトを推進していたことがあるのですが、発信させることが一番苦労しました。
しかし、いま考えてみると、そもそも前提として「KMは必要。だから皆発信すべき」という思いが強くあり、それを全員共通認識にしようと押し付けた感があったことは否めません。
もし「部内の雰囲気づくりのために、これから毎日全員でランチに行こう!」と部長が言い出しても、内心ランチくらいゆっくり一人で食べたいという人だって当然いますよね。
良かれと思ってやっていても、人によっては望んでいないので、
そういう人には違うアプローチをしなければいけません。

社内SNSだって同じです。
Twitterってここがスバラシイ!!社内でも使うべし!と未だにTweetしてる人を数多く見ますが、そういう人は実際にメリットを実感されたんだろうと思います。
ですが、Twitterアカウントを持っているのに、もはや大半の人がログインすらしていない現実もあるわけで、良いと思っていない人に成功体験を押し付けるのは強引です。
(最近ネット上でだいぶバッシングされてしまっている勝間和代さんと同じ・・・)
SNSはソーシャル、つまり社会を形成するわけですが、
強引に発信させてもその人の持っている本当に価値のある知識や情報はなかなか出てこないですし、個性を失った人が集まっても良い社会は作れません。

せっかくSNSという”個”に重きをおいたサービスが流行っているので、
企業に導入する前に今一度、”個”を大事にするシステムとは何か、見直してみる必要があるのではないかと思います。

2010年5月19日水曜日

最近の学生に聞いてみた② -コミュニケーション編-

前回の続き。
最近の学生に、コミュニケーションスタイルについて聞いてみました。

メールやMessengerについて

私「SNS以外にも、当然普段からメールやMessengerも使ってるんだよね?」
A「はい、携帯のメールはもちろんです。PCメールは、大学からのお知らせを見たりするぐらいですね。MessengerやSkypeは、夜友達と話すときに使ってますよ。」
私「昼間も会ってるのに、夜も話すことあるの?」
A「あー、はい、サークルの活動の打ち合わせとか・・。でも、ずっと話しているというより、つなげっぱなしでお互い別のことしてて、話したいときに話すって感じです。で、眠くなったら落とす。」
私「つなげっぱなして。変なことできないね。」
A「変なことってなんですか?」
私「自分で考えて。じゃあさ、メールではなくてMessengerを使うのは、つなげっぱなしにできるのがいいの?」
A「いえ、メールってどうでもいい会話ができないじゃないですか。どうでもいい会話をするときはMessengerを使うんです。」
私「どういうこと?」
A「メールって、来たら返信しなきゃいけないですよね?返信しづらいような、内容の無いくだらないメールとか来ると、面倒なんですよ。逆に自分からもくだらないメールを送って、相手にウザイと思われるのが嫌なので、メールは結構気を使います。」
私「なるほど。その気持ちは分かるよ。でも書く手間自体は、メールもMessengerも一緒じゃない?」
A「Messengerだって、話しかけられたらムシしていいわけではないですけど、話しかけられるときって自分もPCの前にいるので、とりあえずすぐ返せるし、一言くらいのやり取りを何度かするときは便利です。」
私「確かに、何度かやり取りするときはメールだと面倒だね。1回でちゃんと回答書いて済まそうみたいな感じはあるかも。」
A「あと、とりあえずすぐに答えを聞きたいときもMessengerのほうがいいですね。」
私「メールはいつ返信来るか分からないからね。でもさ、それなら電話すればいいんじゃない?」
A「電話って高いじゃないですか。携帯電話の料金て高いので、電話で話してて長くなりそうなときに、途中からMessengerに切り替えることもありますよ。でも、緊急のときは電話のほうが早いですね。」
私「コストは電話よりMessengerが安いっていうのは、学生も認識してるんだね。電話料金気にするなら、Skypeでもいいんじゃないの?」
A「個人的にSkypeに登録してる友達が少ないので、あまり使ってないです。」

私「メールやMessenger、電話の使い分けって、A君の世代では暗黙のルールとして、全体的に同じ認識を持ってるのかな?」
A「うちの大学はITに強い学生が多いので、特殊かもしれません。みんなそうかというと分からないんですが・・。少なくともうちの大学内だとMessengerはほとんどの人が使ってます。グループで何か作業しないといけないときは、毎回集まれるか分からないからMessengerのIDを教えあって、そこで打ち合わせするってこともありましたよ。」
私「ずいぶんカッコいいことしてるね」
A「でも、何回かやってみたら、まったく発言しない人がでてきて、いるのかいないのか分からない状態になっちゃったんで、この方法はあまり良くないという結論になりました。」
私「そうだね、本当にPCに向かって打ち合わせに参加してるのかなんて、分からないよね。」

最近の学生に聞いてみた① -SNS編-

これだけ世の中にコミュニケーション手段とSNSサービスがあって、小学生までケータイを持っているご時世。
学生はツールやサービスをどう使ってるのかなーと興味があって、弊社のインターン、K大学生A君(19)に聞いてみました。
※あくまで1人に聞いただけで、彼の性格やライフスタイルに依るところが大きいため、統計情報としては使えません。


SNS(mixi)利用について

私「普段mixiとか、SNSは使ってるの?」
A「前は他のもやってたんですけど、いまはmixiだけですね」
私「なんで?」
A「なんとなく、自分の友達も皆更新しているのはmixiの情報だけになっちゃったんで。」
私「なんでmixiだけ更新されるの?」
A「自然とそうなっていった気がするんですけど・・。あちこち更新するのも面倒ですし。」
私「友達が更新て、何を更新すんの?」
A「基本、日記ですね。友達の日記は一応読んでます。あと、mixiだと趣味とかのコミュニティがあるんで、その書き込みは見てます。僕はOnePiece好きなんて、そのコミュニティは入ってます。」
私「友達の日記なんて読んで楽しいの?だって普段会ってるんでしょ?」
A「うーん、会ってるときは話さないようなことも書いてあるんで。あと、一緒に何かした後に、その感想書いたりとかしてると、こんなこと思ってたのか、とか気になります。」
私「なるほどねー。mixiは毎日見てるの?」
A「半日に1回くらいは見てます。」
私「友達の友達とか、そこでつながったりすることもあるの?」
A「あんまりそういうのは無いですね。僕は自分の友達以外の情報まで見てないです。まわりにもすごく積極的に使ってるヤツって、いないと思います。」
私「mixiが無くなったら困る?」
A「あー、困らないですけど、結構見てるんで。。やっぱ困ります。」

私「話は変わるけどさ、mixiみたいなサービスが会社の中にあったら使う?まだ学生だからイメージできないと思うけど。」
A「うーん、わかんないですけど・・・。」
私「最近、社内にSNSを導入するってのがちょっとした流行りでさ。結構会社の中ってコミュニケーションが課題になっていて、若い世代からはもっと社内のいろんな人と知り合いたいとか、上長ともっと親しくなりたい、みたいな声も多いし、部門違うと話す機会も無いんだよね。それに対してSNSっていう選択肢がある。」
A「でも、上司とか先輩は必ず友達登録して、日記にはコメント書かないといけないとかなるんじゃないですか?」
私「鋭いね。それはあるだろうね。」
A「大学より、会社の中だと上下関係がありそうなんで。」
私「でもさ、なかなか話すのも難しい、社長に直接コメントできるよ。」
A「しないですよ(笑)変なこと書けないですし。」
私「変なことって何?」
A「いや、まあ、気軽に意見とか言いづらいですし。。仕事なんで、あんまり仲良くなりたいとか、そういうのは無いと思いますね。」
私「大学内には学内SNSみたいなものは無いの?」
A「あるらしいですけど、使ったことないです。友達に聞いたら、大学からの連絡事項が載ってるぐらい、みたいですけど。mixiもあるし、学内でもやろうとは思わないですね。」