2009年5月18日月曜日

情報を“捨てる”ということ

情報が探しにくい、という原因の1つに、情報過多が挙げられると思います。

IDC の調査結果によると、2007年に世界で新たに生み出されたデジタル情報量は、281 エクサバイトだったそうです。これは過去に執筆された全書籍の情報量の約 510万倍で、その本を積み上げると地球から太陽までの距離を超えるものが 20束程度できるとか。。

なんだか想像できない量ですね。

しかも、この情報量は年間 60% の速度で増え続けているとのこと。

実際、同じく IDC の調査結果の 2006 年版を見てみると、生み出された情報量は 161 エクサバイトでした。

今後ますます情報が増えることで、必要な情報を効率良く探し出すことが困難になるでしょうし、企業内のシステム管理者はディスク容量の確保との戦いが続くことになります。

もちろん、それに応じてツールも進化していくわけですし、すでに革新的な検索ツールも出てきていますが、これに頼るのではイタチごっこになるだけで、長期的に見ても解決策にはなりえません。

企業として必要な行動は、「情報を捨てる」ことです。


ナムレコの統計(使う情報は過去 1年以内に生み出されたものが 99% であるという統計結果)が示す通り、業務で使う情報は実はほとんどが新しい情報です。
企業の中に蓄積されている情報の大半は、利用されていない古い情報というわけです。
にも関わらず、多くの場合情報の蓄積には投資すれど、情報の廃棄には対策がされていません。
「そのうち使うかも」という言い分もあるのですが、実際まったく使われずにいるものが大半です。
家の中がモノであふれかえっている人と同じですよね(笑
という私も、高校や大学で使っていたノートを「何かの役に立つかも」と全てとってあるのですが、おそらく一生再利用しないでしょう。。

情報は古くなれば価値を変えます。
これはコストの観点でも考慮すべき重要なポイントです。
なかには価値を持たなくなるものもあるわけですから、こうしたものは廃棄し、なるべく価値のあるものにコストをかけるべきです。

情報を捨てるためには、ライフサイクルを考えた運用を行うことが必要です。
情報のライフサイクルとは、「作成-編集-承認-公開-廃棄/保管」という一連の流れです。
ニュースなどは新しさが優先されますが、一方でコンプライアンス上、一定期間は保管が定められているものもあります。
価値だけでなく、情報の種類ごとにルールを設定すべきです。

こうしたライフサイクルを計画しておき、それを確実に実行していくことで、古い情報を破棄し、価値ある新しい情報を前面に出すことができます。

実際にツールに実装する場合には、情報の種別ごとにアップロードする場所を決め、それぞれの場所に適切な公開期間、重要度、セキュリティレベルなどを付与するようにします。
情報の分類は厳密にやろうとすると大変な作業ですし、キリが無いので、厳密にやるべきものと大雑把で良いものを切り分けて実施するのがオススメです。
また、古い情報でも使われ続けるものもありますので、上記と平行してアクセスログを確認するとより価値の高い情報を企業内に流通させることができます。

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