2010年4月20日火曜日

KM Forum 2010 に参加した感想

毎年恒例、Knowledge Management Forum 2010が東京国際フォーラムで開催されましたので、
参加してきました。
と言っても夕方の1セッションだけなんですが。

私が参加したのは、みずほ情報総研の方のセッションで、タイトルは
「各社最新ナレッジマネジメント取り組み状況と事例が示唆するポイントについて」
という、なんとも魅力的な内容。
スピーカーはこの分野でのコンサル経験が大変豊富な方で、私もブログはちょくちょく拝見しており、楽しみに参加してきました。


感想は・・・
新しい発見は無かったなあ、というのが正直なところです。

1時間のセッションの中で、前半30分はKMの歴史。
企業をとりまく環境の変化と、KMに関してどんな技術が生まれて消えて行ったのかを振り返りました。
KMは約3年ごとに波があり、いまは枯れた印象があるが、数年後にまた流行の波が来るだろうとのこと。
1つ1つの内容についてはKMを業務でやっている方なら知っている内容なのですが、
ここで言いたかったのは「20年以上たってもKMは企業にとって課題であり、これからもそうであり続ける」ということだと思います。
この点は賛成です。
詳しい理由はまた後日書きますが、KMには終わりが無いからです。

後半30分は事例の紹介。
最新の事例ということで、流行りの社内SNSや動画共有の事例が中心でした。
製造業の現場で、動画によるマニュアルのニーズが高まっているというのはよく聞くお話だったのですが、今日の事例は動画に皆がコメントを書き込んで(ニコニコ動画のイメージ)捕捉までしているという内容で、なかなか興味深かったです。
せっかくのセミナーなので、ツールの機能だけでなく、プロジェクトの内容や成果についてもっと深い話が聞きたかったですが、Webで公開されている情報レベルのお話でした。
ちょっと残念。

最後に、KMの成功と失敗をわけるポイントの話がありました。
説明されていたポイントは4点。
  1. 最初に目的や戦略を明確にする(ツールありきで考えない)
  2. インターネットで流行っているWeb技術をそのまま適用しない(企業用に最適化する)
  3. コミュニケーション課題はツールでは解決せず、行う人間の満足が重要
  4. 情報の流れのボトルネックを明確にする
その通り、という感じですね。
この手の話はすでにあちこちで言われていることで、まさに定番、王道だと思います。
逆に言うと、長くこの分野でコンサルをやってきた方でもこのポイントを挙げるほど、とてもとても大事ということですね。


が、あえて意見させていただきますと、
これらを確実に実行したら成功する、というわけでは無いのがKMだと思います。
成功したという企業にポイントを聞けば出てくる内容でしょうが、他の企業がその通りに実施したところで成功するわけではありません。
つまり、成功と失敗を分けるポイントの説明としては、論理的に成立しません。
過去の経験から、もっと深く切り込んで欲しかったですね。



というわけで、本セッションは全体的にこれまで言われてきたことを再度確認するという内容でした。
まとまって歴史から振り返る、みたいな話を聞く機会はあまり無いので、いろいろと自分の中での考えを整理するには良い機会でしたね。

次回はセッションの内容を踏まえて、KMの成功と失敗のポイントを掘り下げてみたいと思います。

2010年4月13日火曜日

情報をメールでSharePointに投稿する方法

この要望、エンドユーザーからよく出ます。
メール文化の企業は多いですし、部内へのお知らせやちょっとした参考情報共有の際、メールで送るというのはよくあるシーンだと思います。
が、メールは多ければそれだけ埋もれてしまいますし、見落とす可能性も高まります。
とは言っても、メールで送った情報を、わざわざSharePointサイトに同じものをアップしなおすなんてことは、ユーザーの立場からすると面倒なだけで、よほどの理由が無いとやらないでしょう。

そこで今回は、メールでSharePointに情報を投稿する方法を2つご紹介します。


①「受信メール機能」を使う

SharePointには、メールアイテムをリストやライブラリに保存する「受信メール機能」があります。
http://office.microsoft.com/ja-jp/help/HA100867301041.aspx?pid=CL100605171041
この機能は、Exchange Serverを導入している企業ではお馴染みの「パブリックフォルダ」の代替として、結構期待度の高い機能でした。
実際、動作としてはユーザーがリストやライブラリに割り当てられたメールアドレスにメールを送ると、メール本文、添付ファイル、またはメールアイテムそのものが保管できるという、パブリックフォルダに近いことができます。
機能的には実用的ではあるのですが、欠点としてはなんといっても設定が難しいことです。
SharePointのサーバー全体管理で「受信メール機能」を有効にするだけではダメで、SMTPのサービスをインストールして、この機能が使えるように構成しなければなりません。
当然、システム管理者が設定する必要があり、エンドユーザーが使いたいというときにすぐに使えるものでは無いということです。
また、サーバーの設定を変えるため、BPOSなどのOnline Serviceでは利用することができないのも残念な点です。


②「Outlookに接続」機能を使う

Outlook、しかも2007以降のバージョンを利用している企業に限られてしまうのですが、エンドユーザーレベルで手軽にできる方法として、OutlookとSharePointの同期機能を利用することが挙げられます。

SharePointの特定のリスト(ディスカッション、タスク、スケジュール、連絡先)には、「Outlookに接続」機能があり、リストの内容をOutlookにダウンロードしたり、Outlookで編集することができます。







該当のリストの[操作]メニューから、「Outlookに接続」を選択すると、Outlook側に「SharePointリスト」というメールボックスができ、そこにこのリスト名のサブフォルダが自動的に作成されます。






このフォルダには、すでにSharePointリストにあるアイテムがダウンロードされてくるので、メールのように見ることができるのですが、逆に受信トレイなどにある普通のメールをこのフォルダにコピーすると、メールの内容をそのままリストに書き込むことができます。
これをうまく使って、受信トレイにあるメールに仕分けルールを適用し、特定の内容のメールを常にSharePointリストに自動的にコピーすることが簡単にできます。
(例:メール件名に「参考」とついたメールを、SharePointの参考情報リストにコピー)

Outlook 2007の場合、RSSリーダーの機能も持っているため、外部サイトの更新情報をRSSで受け取り、それを仕分けルールで特定リストにコピーすることで、部内にメールで転送せずとも最新情報の共有を行うことができます。
SharePointにはRSSビューアWebパーツがあるのになぜそんな面倒なことを?と思われた方はごもっともですが、このRSSビューアWebパーツには1つのサイトのRSSしか登録できないという欠点があります。
Outlookを介した方法であれば、1つのリストにいくつでもRSSフィードをコピーすることができます。

また、サーバー設定を変更する必要がないため、BPOSでも利用できる方法です。
ちなみに弊社では、SharePoint Onlineで作成した社内ポータルに、この方法を使ってSharePointに関する最新ニュースを集めて表示させています。








なお、この方法には、Outlook 2007、2010(※追記参照)が必要であることが一番壁となるのですが、運用も気を付ける必要があります。
チーム内の皆が同じ仕分けルールを適用すると、同じメールアイテムが同じリストに投稿されることになるので、誰か特定の方が代表者として設定するといったルール決めが重要です。

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<追記>10/4/28

②の方法ですが、Outlook 2007では一部制限があることが分かりました。
Outlook上でSharePointリストのフォルダにメールをコピーすると、メールアイテムをディスカッションアイテムに変換してくれるのですが、仕分けルールを使って自動的に移動されたメールアイテムに関しては、この変換がうまくいかないようです。
(マニュアルでメールアイテムをドラッグしてフォルダに入れるとうまくいきます)
このため、OutlookとSharePointが同期する際に「互換性のエラー」が起きます。

なお、このエラーはOutlook 2010では解消されています。

2010年4月1日木曜日

1周年

創業し、丸1年が経ちました。
このところは慌ただしく、体力的にもしんどいのですが、さまざまなお客様のプロジェクトに参加でき、大変充実しています。

1年という期間は振り返るには短いですが、ゼロからスタートし、多くの失敗体験をしながらも1歩1歩前進できていると実感しています。

とはいえ、何かが忙しくなると、別のことがおろそかになるもので、一時力を入れていたセミナーやパートナー企業様との情報交換などの対外活動ができていないことが最近の反省です。
(ブログの更新頻度も順調に逓減中・・)
プロジェクトで得た経験を、また皆さんに共有できるような場を企画していきたいと思います。

今後はますます、信頼していただいているお客様、協業いただいているパートナー様に恥じないよう、活躍していきたいところです。