2009年4月27日月曜日

社内コミュニケーション

ここ数年、社内コミュニケーションの活性化というようなテーマで、多くの書籍が出ているし、ネットにもそういう記事が増えていると感じます。
いろいろな調査データがあるのですが、そのひとつには社内コミュニケーションがうまくいっていない、と考える経営者が、全体の7割近くいるとか・・・
その内訳も、経営者と従業員間、部門間など、基本的には日々の業務で関わらない人同士のコミュニケーションができていない、とする意見が多いようです。

そもそも社内コミュニケーションはなぜ必要なのでしょうか?
本質的には以下のような点かと思います。
・企業の目的達成のため
・従業員の活動を円滑にするため

こう書いてみると当たり前のような気もします。
優秀な従業員でも、一人で働いているわけではないですからね。
が、当たり前にも関わらず、できていないという意見が多いのが現状というわけです。

ではITツールで解決しましょう、というのは非常に短絡的です。
現場で感じている課題と、ツールの持つ機能とのギャップは確実にあるので、何をどのような方法で解決するのか、そこにどんなツールをどう活用するのか、をしっかりと計画する必要があります。

特に、社内コミュニケーションを活性化させることで、何を実現したいのかによって、方向性は大きく変わります。
日常的なおしゃべりとは全く異なる要素が、社内コミュニケーションには3点あります。
1.正確さと迅速さが求められる
2.感情よりも合理性が優先される
3.人間的な要素を適度に残す

1,2といった特性を踏まえていないと、ただの仲良しコミュニティを作る話になりがちです。
かといって、あまりにも非感情的になると、機械のような組織になってしまい、これまた”働く楽しさ”という人間的な部分が失われてしまいますので、3の要素も必要だと思います。
このバランスをとるのが必要なのですが、現実はかなり難しいんじゃないかと、個人的な経験から言っても感じます。

私自身、前職で社内コミュニケーション活性化プロジェクトに参加したことがありますが、当初メンバー内だけでも社内コミュニケーションの認識について大きなズレがあることに驚きました。
この手の話題は、比較的すぐにアクションアイテムに落とされがちで、「経営陣への意見を投稿する目安箱を設置する」「社内ブログを奨励する」「共通の趣味でコミュニティを作る」「もっと飲み会をやる」などなど、いろいろ案が出ました。
が、これらはどれも目指す方向性がバラバラです。
何を実現するためのコミュニケーションなのか、結果的にはまずそれを合わせるところに多くの時間を割くことになりました。

目的は企業によってさまざまですから、それに合わせて計画をすることです。
またこのブログでも、社内コミュニケーションの効果や活性化の手法を紹介していきたいと思います。

2009年4月22日水曜日

Microsoft Conference 申込受付開始

マイクロソフトの毎年恒例のイベントである、Microsoft Conferenceの参加申込受付が始まっています。
http://www.microsoft.com/japan/business/SaveMoney/event/default.mspx
ですが、ん??名前が Microsoft Solution Conference に変ってる・・・
これまではイベント名の略称がMSCだったのですが、MSSCになったようです(笑
期間も、3日くらいやっていたのが1日になりましたし、イベント自体の位置づけを変えたということですかね。
時勢を感じずにはいられません。

気になる内容ですが、今年はほぼ全セッションがコスト削減ソリューションに絞られています。
http://www.microsoft.com/japan/business/savemoney/event/session.mspx
ここまでテーマをコスト削減に徹底したイベントも珍しいですね、これ全部実践したらどのぐらコスト削減になるのでしょうか(笑
それは冗談としても、ユニファイドコミュニケーションの領域などで、実際に投資効果を得た事例紹介などもあるようで、興味深いです。


ですが、個人的には少し別のお話も聞いてみたかったですね。
というのは、コスト削減は不況を解決することに悪くない手段ですが、
今年10%削減に成功しても、来年も再来年もできるわけではありません。
もちろん現実問題として、ITの運用コスト削減はお客様のIT部門にも落ちてきている早急な課題でしょうし、5000万かかっているメンテナンスが、同じクォリティで1000万でできます、という提案は分かりやすく受け入れられやすいでしょう。
ただ、結局は小さな市場を複数のベンダーで食い合うだけで、しかもこれまで運用を担当していたシステム会社には逆に打撃になることもあるので、
お客様のビジネスそのものはもちろん、IT業界全体の成長にはつながりません。

マイクロソフトのような企業には、ITの可能性を広げ、市場全体を拡大するようなビジネスを作っていっていただきたいなーと、勝手な希望を述べてみました。。

2009年4月21日火曜日

ビジネスとIT

ビジネス課題とITをつなぐ、ということが、ITベンダーにとって重要な取り組みになっています。
不況で、企業が新規投資を必要最低限に抑える方向になっていると、ミッションクリティカルな領域以外の、特に情報系のソフトウェアは多くの場合投資が凍結されます。

だからこそ、なぜ今必要なのか、必然性を理解していただくために、ビジネス課題解決につながる提案が求められるわけです。
まあ、こういう考え方は今に始まったことではなく、本来企業がITを活用する際に考えなければならないことでしょう。
便利そうだから導入する、というのではなく、戦略的にITを活用するということです。

と、言うのは簡単ですが、実際は提案する側にもお客様側にも、難しいというのが現実です。
大きなところで、以下2点が難しいところかと思います。

1.ビジネス課題とITとの、明確なつながり
2.CIOの存在

1と2は、関連する話です。
2についてですが、CIOがいない企業だと、稟議をあげることが難しくなります。
経営課題がシステム部門に直接落ちてこないわけですから、上記に書いたような戦略的なIT活用を考えるうえで、CIOを巻き込んだシナリオ作りの可否は、経営層への説得力を大きく左右します。

そして、CIOの有無にかかわらず、1は重要な点です。
結構ありがち、というか、私も前職でやっていたのですが、お客様のビジネス課題とITツールをマッピングしてお話する際に、話が飛躍してしまうことがあります。
たとえば、社内コミュニケーションを活性化したい、という話に対して、「では、経営層からも現場からも情報が手軽に発信されるように、社内ブログを使ってみる、というのはいかがでしょうか。」のような提案をするわけです。
もちろん実際はもっと細かく課題をうかがって、その他のツールも含めて提案シナリオを作るわけですが、大雑把に言ってしまうと上記のようなマッピングをしていました。
ただ、上記では課題とツールに明確なつながりがないですね。
担当者レベルではそれで話が進むのですが、意思決定をする経営層などには、社内コミュニケーションとブログがどうつながるのか、理解いただけないわけです。

ビジネス課題とITをつなぐ、というと、どうしてもこういう唐突な感じになります。
多くのITベンダーのWebサイトを見ても、自社製品のマーケティングがそのように行われていることは多々あります。

情報系のITツール導入の計画フェーズで、ビジネス課題を背景とした導入目的、導入範囲や展開ステップ、活用方法、導入効果目標などをきちんと定義した上で実際の計画に進んでいかなければ、課題とITツールは乖離したままになってしまうでしょう。

ビジネスの言語と、ITの言語のつながりは弱いので、そこを仲介する手法や言葉が必要だと思います。
弊社は、お客様のITツールを、ビジネスに活用いただけるように、そうした仲介者になりたいと考えています。

2009年4月16日木曜日

情報が流通する文化

前回も記載したとおり、ブログなどの情報系ツールを社内で定着させるには、そもそも情報発信とフィードバックのサイクルがまわる文化が必要だと考えています。
これを無視して、ツール導入によって解決しようとしても、まったくうまくいかないでしょう。

ですが、意外とそこは軽視される、もしくはまったく議論されずにツールが導入されてしまうことが多々あります。
それは、目的が「ツールを入れること」になっていることが大きいでしょう。
本来の目的は情報共有であったり、コミュニケーションの促進であったりと、別のことのはずなのに、いつの間にかツールを導入することが目的にすり替わるため、文化が無ければ導入後に使われないことに目が行きにくくなります。
家を建てるのは住むためのはずなのに、それを無視して家を建てることだけを優先してしまうと、手抜き工事だったり、実は土壌が汚染されていたりという問題が後になって発覚することと同じです。

文化の醸成は非常に難しいです。
経営者が変わると社内の雰囲気が徐々に変わるように、ある程度影響力のある方が促進するとやりやすいのですが、実際はなかなかそうもいきません。
その場合は、やりやすい部門などから情報共有/流通プロジェクトを小さく始めて、徐々に浸透させていく方法が堅実でしょう。
具体的な進め方などはいろいろとあるので、またこのブログに随時書いていこうと思いますが、今日はまずプロジェクトの中心となる推進メンバーの、やや精神論的な話です。

プロジェクト自体は場合によってはツール導入を担当するシステム部門の方がリーダーになるかもしれませんが、いずれにしても現場に周りを引っ張る方が必要です。
これはマネージャクラスでなくても構いませんが、重要な条件があります。
チーム内に情報を発信し、流通されるということを、やらされ仕事ではなく、前向きに発展させていく気概があることです。
片手間では日々の業務に追われて、いつの間にか忘れられていることもあるため、継続できる方がいいでしょう。

もちろん一人ですべてをやる必要はありません。
タスクチームを結成し、アイディアを出しながら役割分担して進めていくことで、より進めやすくなります。チームの人選も重要な要素です。
現場の業務をどう助けられるか、現場に何があったらうれしいか、現場が少しでも活気づくにはどうすれば良いか、真剣に考えられる人を選ぶ必要があります。
そして、タスクチームメンバー各々が情報発信に対して積極的で、受け取った情報に対してもフィードバックをしていくことで、徐々に 周囲にプレゼンスを上げていくことができます。


そして何より、タスクチームはこのプロジェクトを楽しんでやることです。
本来、人間はコミュニケーション無しでは生きていけない動物です。
仕事も一人ではできません。
「なんで俺の情報を皆に共有しなきゃならないんだ」と否定的な方もいらっしゃるのは事実ですが、業務の知識や必要な情報は、先輩から後輩へ、お客様から担当営業へ、コンサルタントから経営者へ、などのように人を伝わっていくものです。
これは日本企業が古くから行ってきたことでもあり、組織の強みです。
誰しもがそうして気づきを得て、実践し、経験し、成長してきたわけですから、情報共有/流通が必要であることは自明であり、そして自分の成長につながる前向きなものです。
タスクチームはこうした想いを共有し、他のメンバーに啓蒙していくわけですから、前向きに楽しんで取り組むことが重要です。

精神論になってしまいましたが、また次回以降、実アクションにも触れていきたいと思います。

2009年4月15日水曜日

社内ブログについて

以前からお付き合いしていたお客様から、「社内ブログやってみたいんだけど、どうなの?」とメールいただきました。
社内情報共有にブログを使う、という話は最近では良く聞く話になりました。
一方で、どう使うか分からない、定着しない、という声も多いようです。

定着させるために必要な対策としてよく言われるのは、
・ツールの特性を知り、適切な目的に利用する
・運用ルールを決める
の2点です。
特性については、Wikipediaなどで「ブログ」と検索すると詳しく定義が出てくるので、ここには書きません。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0

何に使うか、という目的を考えるほうが難しいでしょうね。
個々人が情報を発信するツールとしては、別にブログである必要はないですわけですから。
いままで書類をボールペンで書いていた人達に色鉛筆を渡して、「今日から書類作成に色鉛筆を使いなさい」と指示が出たら、理由も分からず書きにくい思いをする人が大半でしょう。
でも色鉛筆のほうが見栄えが良くなるし、楽しいから使おうという人も現れます。

これと同じように、現状ではブログも使おうという人だけが細々使っているということが多く、ここから広がらないという企業が多いのではないかと思います。

もう1つの運用ルールですが、これは要は使い方を決めてしまって、それを利用者に徹底するということです。
ルールを決めることには2つの意味があり、1つは利用範囲を特定できるので活用しやすくなるということ、もう1つは情報漏えいなどのリスク要因を防ぐということです。
ブログに限らず、情報共有やコミュニケーションにITツールを利用する場合、システム面以外のこうした「使い方ルール」は必須といっても過言ではないと思います。
この活用ルールの話はまた別途します。

話を戻しますが、上記の2点、ツールを適切な目的に使うことを考え、運用ルールを決めて、果たしてそれでうまくいくでしょうか?
私はもっとも大事なことが抜けていると考えています。
それは、情報を発信する雰囲気を作る、ということです。

社内ブログの成功事例を見ると、いずれもベンチャー企業であったりIT企業であったりと、比較的社内の平均年齢が若く、企業の文化として個人の情報発信とそれに対するフィードバックが認められているところばかりです。

活用事例
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070712/277404/
http://japan.cnet.com/event/info/story/0,3800079330,00000165p,00.htm

こういった企業は、ブログ含めた情報系のITツールが定着しやすい土壌ができていると言えます。
逆に、土壌ができていないところに新しい建物は建てられないので、まずはそこから少しずつ対策を講じるべきです。
実際にどんな対策を行っていくかは、また次回書いていこうと思います。

2009年4月14日火曜日

ちょっと景気の話

昨日某社の営業部長とお話してきたなかで、景気の話になりました。
株価もここ1ヶ月ほど上昇し続けていますし、底を打ったということですかね、とこちらからの問いに対して、「個人投資家の買いが進んでいないから、実体の無い期待だけの上昇だろう」とのコメントでした。
ごもっともという感じでした。

そもそも、政府の需要拡大策についても、環境技術への投資、医療/介護、日本独自産業の輸出というような内容で、特定産業の活性化にしかつながらないでしょう。
マクロの需要が減っている中で、ハイブリッド車買い替えを促進したところで、普通の車が一台売れなくなるだけ。
需要拡大にはならないですね。
木を見て森を見ず。

2009年4月10日金曜日

E-Learning の適用範囲

昨日、前の会社の同期が起こした会社を訪問してきました。

主に E-Learning の仕組みを提供している開発会社なんですが、この E-Learning システムがなかなか面白く、いろいろと可能性を感じられて、有意義な時間でした。
※詳細はWebをご参照ください。


今のように不況時だと、ストップした生産活動の空いた時間を教育にまわす、というような話もよく聞きます。
とは言っても潤沢にコストはかけられないので、外部の有名講師を招いて大きな会場で研修、などというスタイルはかなり減っているでしょう。
そういう意味では、E Learning のような仕組みは比較的コストを抑えられる手法であることは明白です。
システムが無ければ当然イニシャルコストがかかるうえ、コンテンツも作らなければならないわけですが、一度作ったものは再利用可能で、かつファシリティのコストやその調整にかかる手間がいらないのは魅力的です。

ただ、肝心なのは仕組みより内容、コンテンツです。内容によって適切な手法を選択することが、結果的には確実にリターンを得られることになるはずです。

E-Learning に向いているものとして、「誰が受講しても一様に伝わる」内容ではないかと思います。つまり、教科書やマニュアルに記載してあって、読めば分かるものです。製品の機能、価格、法律、ルール、手順などが該当します。言い換えれば、文章化しやすいもの、ということです。
逆に文章化しにくいもの、「受講する人によって多様に伝わる」内容のものは、Face to Faceの研修が向いていると思います。コミュニケーションスキル、営業スキル、ノウハウ、経験談などです。

なぜ上記のように分類したかというと、E-Learning は本と同じで、表示されている内容を自分で汲み取るものだからです。(本よりは多少フォローできますが。)その特徴を無視してコンテンツを作ると、理解度がマチマチになる危険性があります。
コミュニケーションスキルや営業スキルは、世の中に多くの参考本が出ていますが、人間はコンピュータではないので、書いてある言葉を自分なりの辞書(経験、性格、価値観など)で変換してしまいます。Face to Faceで何度も言葉を交し合って、はじめて理解できることもあります。

ITシステムもネットワークも整備されている時代ですが、ツールは目的を達成するために適切に活用したいものです。

2009年4月8日水曜日

社内Webにデザイン性は必要?

ディスカバリーズ会社を設立し、1週間たちました。
たくさんの方々からお祝いや応援のメッセージをいただきました。
本当にありがたいことだと、つくづく感じます。
当たり前のことなのですが、仕事は一人ではできないということを、こういう立場になって改めて実感しています。

いろいろと準備をしてきましたが、そろそろ本格的に営業を開始してまいります。
会社のWebサイトも公開しました。
http://www.discoveries.co.jp/

実はこういった外向けWebサイトもSharePointで作れるんですが、
いろいろ事情があって断念しました。。
SharePointで作ったほうが、コンテンツ管理も楽だし検索機能なんかも標準でついていて、
だいぶリッチになるんですけどね・・・

WebサイトをSharePointで作る、ということは、日本ではあまり例がないのですが、海外では数多くの事例が公開されています。

USのマイクロソフト 事例サイト
http://www.microsoft.com/casestudies/default.aspx

たとえばハワイアン航空様の事例を見てみますと、Webサイトの画面も確認できます。
http://www.microsoft.com/casestudies/casestudy.aspx?casestudyid=4000001869
すでにSharePointの標準画面の原型をとどめておらず、キレイにデザインされていますね。

こういった例のように、外向けのWebサイトの見栄えには多くのお客様が凝られていて、ブックマークに登録しておきたくなるようなサイトも多々あります。
ですが、残念ながら社内向けのイントラネットやポータルには、そこまでデザイン性を求められないことがほとんどです。

もちろん、外と内ではWebサイトの目的が異なるため、デザインに対する重要度も違ってくるわけですが、アクセスを増やすためにはある程度は考慮する必要があるのではないでしょうか。

Webのデザインには要素が2つあると思います。
1つ目は見た目の装飾デザイン、そして2つ目は情報の配置のデザインです。

装飾デザインについては、例えば企業ブランドに基づいた色使いや画像の利用などが一般的で、アクセスする人にどんな印象を与えるかを左右するものです。

情報の配置デザインは、見たいと思う情報が見やすい位置、探しやすい位置にあるかどうかという、使いやすさに関わるところです。

どちらも、利用する側にとって、そのサイトに何度もアクセスしようと思うかのモチベーションに関わる重要なポイントですので、サイトの利用を定着させたい場合は、計画することが必要です。
Webサイトはそもそもアクセスされなければ全く意味がないですからね。

イントラネットやポータルのデザインを、一度見直してみるのはいかがでしょうか。

2009年4月6日月曜日

はじめに

4/1にディスカバリーズ株式会社を設立しました。
法人のお客様向けに、組織内の情報共有やコミュニケーションに、ITをどのように有効活用していくかを、コンサルティングという形で支援させていただく会社です。
このブログでは、お客様から伺った話や、日々の発見など、参考にいただける情報や面白い情報を自分の備忘録も兼ねて、発信していきたいと思います。